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律動的な足音が永遠に続くのかと思われたその時、目的地に着いたのだろうか、ふと足音が止んだ。
歩みを止めた彼…の前には、1辺が背丈の2倍はあろうかと思われる巨大な両扉がその行く手を遮っていた。
それぞれが正方形に造られた扉は、美しい木目調の模様が浮き出ているところを見ると木製なのだろうか。
どう見ても1本の巨木をくりぬいたとしか思えないそれは、決して威圧的ではなく、周りの床や柱と同じく訪問者を暖かく迎え入れる柔らかな光を放っている。
彼…がその扉に手を掛けようと思ったその時
「「いずれへ参らせます」」
と彼…の両端から、その思いを制紂するかのような声が聞こえてきた。
彼…の正体を熟知しながらも役目上声をかけなければならない…そんな遠慮の混ざった声音に、少し口元を緩めた彼…は
「失礼を許されよ、我が弟達、汝ら力天使の使命は疎かにせぬ。我が主の御心を伺いに参上した次第、御座の間への入室を求めるものなり」
と言いながら恭しい動作で十字を切り、胸の前で両手を組む。
力天使と呼ばれた存在たちは、恐縮したように
「「我が姉ミカエル様、役義なればご無礼をお許し下さい。いざ、御座の間へお通りませ。」」
と応えると同時に巨大な扉を手前に開き、彼女…ミカエルの両脇に直立した。
片手に槍を持ち、直立不動の姿勢で起立する彼らの姿は、さながら二対の彫刻のようであったが、ミカエルはそんな彼らに
「汝らに主の愛を」
と小さく呟き、御座の間へと足を踏み入れた。

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