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~午後10時銀行の中~
威勢の良かった女は眠ってしまった。
ふと男は支店長に尋ねた。
「そういえば、支店長の名前をまだ聞いてませんでしたね。」
「私は松原といいます。」
「歳は?」
「56だが。」
「定年間近なのにこんなことをさせてすみません。夜が明ける頃には終わってると思うので……もう少しそのままでいてくださいね。」
「君は穏やかな声をしている。受付に銃をつきつけた時の声と全然違う。」
「まぁ、あれは芝居みたいなもんですから。」
「君は何がしたいんだ?」
「何がしたい……簡単に言えば……完全犯罪ですかね。」
テレビのニュースを見ながら男は答えた。
「完全犯罪?こんなに多くの警察がいてそんなことができると思うのか?」
「僕のシナリオは完璧です。まぁ、見ててください。」
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