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家の近くまで戻ってきたオレは、さっそく女性に貰った番号にベルを打つ事した。
【イマカエッテキマシタ】
【マタアシタイキマス】
【080********】
…と打ち終わり、少しの疑問が脳裏を過ぎった。
(何で、いきなりベル番教えてくれたんだろぅ?
名前を聞くきっかけ?
…まっ、善いか。)
でもオレは、特に深く気にする事無く、そのまま家へと戻った。
(あの人の名前、恵利って言うんだ…。
見た目も若いし、何歳位なんだろぉなぁ…?
まぁ、また明日も色々聞いてみよっと。)
最近は、外に居ても家に居ても、あの女性の事を考えてる。
(はぁ…、早く明日にならないかなぁ。)
部屋の中に入り、CDを聞きながらもまた考える。
《巡り来る時に
約束を奪われそう
この両手差し延べても
…心は離れて》
(Blurry Eys…、やっぱりL'Arcのコノ曲、良い歌だなぁ。)
趣味の音楽鑑賞をしながらも、徐々に夜は更けていく。
そして、ちょっとした期待。
(もしかしたら電話来るかなぁ…?)
鳴らない電話。
何回か、着信を確認している自分が居た。
けど実際、オレが打った初めての文を、女性が見る事は無かった。
ベル番を間違えて送った事に気付くのは次の日だった。
(さて、こんな事してても仕様が無いから風呂入って寝よっと。)
《自分の手で日めくりを早める。
通り過ぎる日々に隙間が残る。
滑稽が重なり矛盾となる。
罪深きは…恋なのか?》
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