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「朝比奈お疲れ様ぁ。」 「あっ、…おまたせぇ。」   程なくして着替えた女性は、同僚に挨拶をしつつ店から出て来た。   「いえ全然。」   「じゃぁ行こっか?」   「はい。」   そしてオレ達は話しながら駅へと向かう。   「そう言えば智君…?」   「はい…?」   「智君て何歳なの?」   (やべっ、聞かれた。) 軽く動揺しつつも、   「恵利さんは何歳ですか?」 …と、質問返しをした。   「ん?私?…私は20だよ。」  「え?若く見えますね。」   「そうかなぁ?」   女性の格好は…、上は黒のダウンジャケットで、下はジーパンにレッドウィングのブーツ。 ボーイッシュな感じだ。 …けど可愛い。   「はい。18歳位かと思ってましたよ。」   「ははっ、ありがとぅ。 上手いね。…智君は?」   「オ、オレは…」   (嫌われちゃうかな…?)   「16です。」   「えっ!?…16?」   (やっぱ子供だよなぁ…。)   「嘘ぉ…じゃ、今年まで中学生だったって事ぉ?」   「…そうです。」   「えぇ!…本当に?」   「はい。」   女性はかなり驚いている。  「…すごぉい、智君て大人っぽいんだねぇ。」   「…えっ?」   「印象もそうだけど、バイトしてるから18歳位かと思ってたよ。」   女性は軽く興奮しながらも笑顔で話している。 余程驚いたのだろう。   「ははっ…。」   そんなオレは、 …そう、 高校生。 今年中学を卒業したばかりの高校一年生。
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