『ＷＨＩＴＥ』

#1

｢…あの。｣

｢ん？｣

｢あのですね…。｣

｢どうしたの？｣

｢今度、バイト前とか…バイト終わった後とか、少し話ししませんか？｣

(つ、つい、言ってしまった。
突然過ぎたかな…？)

｢別に良いよ。｣

｢えっ？！｣
(？！)

｢ん？｣

｢良いんですか？｣

｢何で？全然良いよ。｣

｢そ、そうですか…。｣

(ど、どうなったんだ？
誘ったら…OK。
予想外に即答だし。)

｢なら、帰りは電車の時間が気になるから、バイト前にしようか？｣

｢…そ、そうですね。｣
(な、何か展開が早い。)

｢バイト前なら、そのまま出勤出来る様に、上野に集合しようか？｣

｢はい、良いですね。｣

｢じゃ、いつにしようか？｣

｢オレはいつでも構わないです。｣

｢そっか、
じゃ…私、明日丁度時間空いてるけど…、どぅ？｣

｢あっ、明日ですかっ？｣

｢うん。忙しい？｣

｢いや…、忙しくはないんですが…。｣

｢無理っぽい？｣

｢…いえ、だ、大丈夫です。｣
(誘ったのはオレなのに、いつの間にか決まっちゃった。
こんなに早く…しかも簡単に…。)