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「ザーッ」
「ザー…」
(ん?あれ…そうか。
帰って来て、昨日の事を思い出してる内に寝ちゃったんだ。)
午後2時過ぎ。
知らぬ間に、十分過ぎる程寝たオレは、遅い朝食と風呂を済ませ、夕方からのバイトに備えた。
(今日は雨だから、浅草から電車で行こう。)
昼過ぎ位から降り始めた雨は降り続いていた。
家から出たオレは、傘を片手に自転車で浅草駅へと向かった。
十数分で着く浅草駅に自転車を停め、銀座線で3駅先の上野駅へ向かう。
6分程で着き、改札口を通り外へ出る。
今日は週末の土曜日。
生憎の雨だが、アメ横はいつも通り人が多い。
すれ違う傘達に肩を濡らされながら、バイト先へと向かう。
「おはようございます。」
「はい、おはよう。」
今日も、いつも通り店先の店長に挨拶をし、いつも通り仕事に就いた。
雨のアメ横。
交差し続ける傘の波で、対面の店は殆ど見えない。
(あの女性は今日も出勤してるのかなぁ。)
オレはもぅ、気が付く度あの女性の事を考えている。
…そして、
今日も仕事終わりに、あの女性に会いに行く事を決めた。
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