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全国大会2回戦。
我々青学は沖縄比嘉中と対戦した。
彼らの非情なるテニスに少々困惑したが、我々のストレート勝ちに終わった。
明日は氷帝戦。しっかり休んでおかねば。
俺はついさっき木手永四郎と戦ったので汗だくだった。
確かに彼は強い。
強いけれど、俺の力には及ばなかった。
どんなに高度な技術を会得しょうと、悪どい奴に俺が負ける訳がないのだ。
俺はトイレに行って洗面所で顔を洗うことにした。
空はすっかりオレンジ色に染まり、テニス場内のトイレにも夕陽が沢山射し込んでいた。
眼鏡を取り、まだ熱く火照った顔におもむろに水をかけた。
気温とは逆に冷えた水が心地よかった。
今日は現地解散だから焦る必要もない。
ダウンでもしていこう。
「おや?ここにいたのですか」
聞き覚えのある声だ。俺に話しかけといるのか?
タオルで顔を拭い、急いで眼鏡をかけた。
入口の方へ目をやると、夕陽に照らされたシルエットが浮かび上がっていた。
目を凝らすと、スラッとした細身の体、ノースリーブのユニフォーム。
その人は頭の角度を変え、眼鏡のレンズから光が射してきらめいていた。
「木手永四郎……」
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