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『…よ…なら』
風の音に流されて由紀の声はしっかりと聞き取れなかった
だが口の動きでなんと言ったかは大方予想がつく
『さよ…なら?さよならって何だよ!由紀!!』
拓也の返答にも答えず由紀は背を向けて草原の向こうへと歩いてゆく
『ま、待てよ!何処行くんだよ』
そう言って由紀を追いかけようとするがどんなに走っても由紀との距離は広がる一方…
『くそ!なんで追い付けないんだ!?』
だんだんと由紀の姿は霞んで見えなくなっていく
『待ってくれ…由紀!なんで泣いてるんだ!さよならって何だよ!なぁ答えてくれよ由紀~~!!!』
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