観覧車からの景色は紅葉色

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『由紀……愛してくれますかじゃない…もう遅いよ……』 俺はそう言い由紀の顔を自分の胸元へ引き寄せた 『…とっくに俺は由紀のことを愛しちまってんだから…』 由紀の体のことなんて関係ない、俺は由紀が好き!その気持ちだけは天地がひっくり返っても変わらない 『…拓……也…』 『……由紀……』 俺たちはこれからもずっと一緒にいようという気持ちを込めて熱い口づけを交わした 由紀のキスはまるで俺の全てを包み込むかのような甘く、優しいものだった キスする前の一瞬、観覧車から見えた景色は真っ赤に染められライトアップされた紅葉の樹だった 樹が風により揺らめき、ざわめいている まるで俺たちの恋を祝福してくれてるかのような光景だった
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