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由紀に初めてあったのは高校1年生の夏だった…
~高1の夏~
あの頃の俺は、遅刻の常習犯でいつもと同じ様にチャイムと同時に学校の門をよじのぼっていた
『こら~💢新庄~、また遅刻か~!』
いつもと同じ様に学校一おっかない先公、体育の坂田が待ち構えていた
俺は坂田を無視して自分の教室へとダッシュした
4階までのぼり廊下の角を曲がった瞬間… ドンッ!
『キャッ!』
『うわっ!』
勢いあまって女の子とぶつかってしまった…
その隣には俺のクラス担任の井上先生が呆れた顔で立っていた
『新庄、お前彼女になんてことを…』
井上先生はため息を吐きながら俺に言った
『ごめんごめん、大丈夫か?立てる?』
見たことない子だ、この学校とは違う制服を着ているのを見るかぎり転校生だと大方予想はついた
肩にかかる位の茶色の髪の毛、目は澄んでいて耳にはピアスの穴、そして右手首には…リストカットらしき傷跡があった
『……………』
彼女は右手首の傷跡を隠しながら無言で立ち上がり井上先生と教室の中へと入っていった
これが俺と由紀の最初の出会いだった
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