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病院の階段を駆け上がり廊下もおもいっきり走った
『ちょっとキミ!廊下は走っちゃいけませんよ!』
看護婦さんの注意の言葉など拓也の耳にはこれっぽっちも入っていなかった
由紀に会いたい!!ただそれだけ…
『302号室……ここか…』
コンコン
ノックの音が響く…この3秒の沈黙が1時間にも10時間にも感じる
『………どうぞ』
その声を確認し重たいドアをゆっくり開ける
病院と言われればだいたいは6人くらいの部屋を想像するだろうが由紀の部屋はきれいすぎる程の広い個室だった
内装は目が痛い程の白尽くしだったが棚の上に飾ってある花だけが黄色に輝いていて眩しくみえた
だがその横のベッドの上にいる女性はもっと眩しくみえた
こんな時に不謹慎だがやはり由紀はどんな服でも似合う
たとえそれが病院の寝間着でも例外ではなかった
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