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『由紀!!苦しいのか!?』
どうしていいか俺はまったくわからなかった
由紀は呼吸が荒く胸の服をわしづかみにしている
額には滝のような汗…
ふと目についたのはナースコール
これだ!
だがナースコールにかけた手は由紀によって遮られた
『大丈…夫、いつも…の…発作だ…から…すぐ治まる…』
由紀は今できる精一杯の笑顔で微笑みかけた
『ハァ…ハァ…ハァ…フゥ💧』
由紀の呼吸がだいぶ落ち着いた
『……由紀……』
くそが!なんで由紀ばっかりがこんな目にあわなきゃいけないんだ
神様…さっきあんたに頼みごとなんかしちまったけど前言撤回だ!
頼む…由紀を助けてくれ!
それともあんたがこういう運命に仕組んだのか…?
もしそうだったらあんたが憎い…死ぬほど憎い!
拓也の唇から赤い液体が流れ出す…だがそんな痛みなど忘れてしまうほどに拓也は唇を噛み締めた
それを見ていた由紀の表情は今までに見たことがないくらい辛く、悲しい表情だったことに拓也は知るよしもなかった……
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