季節はずれの花火~前編~

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今俺は病室の外の廊下にいる 由紀のお父さんとお母さんが来て俺と話がしたいらしい 『そうか、君が拓也君か…いつも由紀から話は聞いていたよ』 『はい!俺…じゃなくて僕は由紀さんとお付き合いさせてもらってる新庄拓也と申します』 緊張する!しかも変な丁寧語だし… 『拓也君と出逢ってから暗かった由紀は急に明るくなったんだ。いつもいつも拓也君の話ばかりでもう大変ときたら…でも話してる時の由紀のあの楽しそうな顔を見ていたら聞かずにはいられないよ』 由紀のお父さんは俺の肩に手を置いてさらに続けた 『だから拓也君!迷惑かもしれないが、最後まで…由紀のわがままに付き合ってやってほしい!』 まっすぐ俺の目を見据える由紀のお父さん 後ろで心配そうにしている由紀のお母さん こんな事されたら断れない、むしろ断る気も理由もさらさらない 『迷惑だなんてとんでもない…こちらこそふつつか者ですがよろしくお願いします!』
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