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『拓也、どうしたの?』
『え?』
どうやら考えている間に無意識に屋上についたらしい
頬にかすめて通る冬場の風が妙に心地よい
『もう降ろして大丈夫だよ////』
おっと、本当に抱っこしてるのを思わず忘れてしまう軽さだな
『なんでここに来たんだ?』
由紀を降ろしながら聞くと由紀は屋上の柵に寄っ掛かりながら空を見上げた
そして視線を変えないまま呟いた
『私のお願い、聞いてくれる?』
『な、なんだよいきなり!』
俺の返答を聞くなり由紀は空を見上げるのを止め、一呼吸おいてとんでもないことを言った
『花火がしたい』
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