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夜の闇の中、1人の少年が両手の袋を揺らしながら走っている
『ハァハァハァ💧』
時刻はすでに9時を回っていた
とっくに息はきれて心臓が今にも飛び出しそうだ………だがそれでも走るスピードを緩めない
1人の少女を待たしているからだ
待ち合わせは8時……とっくに1時間は過ぎている
走っている途中に2回ほど転んだ…両手が塞がっているため受け身がとれず膝からは血が滲んでいた
それでも走るスピードを緩めない
なぜか?
少年はその少女のことを愛しているから
ましてやその少女の最初で最後のお願いだ
果たさなかったら男ではない…
『待っててくれ…由紀!』
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