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『ハァハァ……着いた…💧』
結局病院に着いたのは10時過ぎだった
消灯時間はとっくに過ぎている
『くそ!間に合わなかった…』
拓也は悔しがりながらも病院の入り口へと向かう
まだ由紀が待ってるかも…そんな淡い期待を胸に…
病院の前に来ると誰もいないロビーがあった
『やっぱり、いない…か』
俺は諦めて病院を出た
ふと病院を出てすぐ見えるベンチに1つの人影が見えた
『まさか…』
俺はその人影に歩みよった
街灯がちょうどあたらない場所だからかなり近づかないと顔が確認できない
どうやら向こうもこちらに気づいた様子だ
人影はすっと立ち上がるとこちらに近づいてきた
『た…くや?』
俺はその言葉を聞いて確信した
思わず両手の袋を落としてその人影を抱いてしまった
『お待たせ…由紀…』
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