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カキーン………!!
カキーン………!!
それは怒涛の攻撃だった。七回表、帝陽高校が牙を向いた!!
「マジかよ……」
帝陽高校はあっという間に三点をも奪った。
「例え調整試合とは言え、負けることは許されない…か」
やはり帝陽高校は生まれ変わったのだ。守るのではなく、あくまで攻める。それが帝陽高校の野球なのだ。
「いよいよ来るぞ…」
七回裏、一人の小さな少年がマウンドへと上がった。
彼らは半年前に闘ったその小さな少年を覚えていた。いや決して忘れることなど出来なかった。
自分達に野球の恐ろしさを植え付けた少年。冷たい眼差しをしたその少年が静かにマウンドへと上がる。
「あいつ、あんなちっちゃかったっけ…」
『今よく見てみれば小さいな、あいつ。
でも俺の眼にはあの試合の時、誰よりも大きく映ったのは間違いなくあいつだ……!!』
気がつけば試合はあっという間に終わっていた。
結果は3対1。
相川は三回一安打無失点という完璧なピッチングで試合を締めた。
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