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三月、三年生が卒業。
別れの季節、はじめ達はいつものように練習に励んでいた。
ズバーン!!
「ナイスボー!!」
ブルペンでは投げ込むはじめの姿があった。年が変わり、今日は初めて本格的に投げ込む日だった。
『あいつ、まだ春先にも関わらずいい球投げるな…』
二月から少しずつ投げ込んではいたが、あくまで調整の段階。
暖かくなり、はじめの球の成長ぶりに慎吾も思わず驚いた。
「かぁ~!!はじめの奴、かなり球のスピード上がってないか」
はじめの投げる姿をグランドから見守っているケンが思わず呟く。
「そりゃレベルアップしてもらわなきゃ困る。
あいつは大嫌いだった走り込みもこの間の冬の時期に意欲的に取り組んでいたからな。
甲子園行って、相川をぶっ潰すんだ。あいつが成長してくれなきゃ困る」
田口がそう答えた。
打倒、帝陽高校。
いつの間にか、かすみ野球部の合い言葉にもなっていた。
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