第十九話 〈全てを狂わす再会〉

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それから試合の日まで彼らは練習に打ち明けた。 それぞれの想い、だが皆目指すものはたった一つだけだった。 甲子園。 それは彼らの夢であり、彼らが今野球に全力をつぎ込める理由でもあり、幸せでもあるのだ。 彼らはこの先それぞれ別の道を歩むことになるだろう。 だからこそ、今野球をし、目標に向かって頑張れる幸せを感じているのだろう。 もう一年前の彼らはいない。 彼らは敗北、挫折を経験し、同時に勝利への執念と喜びを覚え、ここにともに野球出来る仲間と野球をすることに本気になって幸せを感じているのだ。 無くしたものだってあるかもしれない。 だけど彼らは仲間と力を合わせ、己自身を成長させ、得たものだって多い。 無くしたものばかりを決して嘆かなかった。 嘆いてばかりでは何も変わらない。彼らはそれでも前に進み、強くなったのだ。
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