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「確か第一グランドだっけ」
「常翔って、前来た時もそうだったけど、グランドがいくつもあるから分かんねー…」
はじめとケンがそんな会話を交わす。
はじめはシニア時代、常翔に見学で行ったことはあったが、さすがは名門高校。
グランドをいくつも持ち、野球するには最高の設備が整っている。
「こりゃ、高校生にはもったいねーな」
五人は途中途中で迷ったが、試合が行われる第一グランドに何とか辿り着いた。
試合は三回の裏、常翔学園の攻撃。
「いまだにスコアレスか」
試合は0対0。
帝陽側のマウンドにはエース・和田の姿があった。
「相川じゃないのか」
はじめが思わずそう漏らした。
「調整試合らしいからな。色んな選手使いたいんだろ」
「………はじめ!!打席を見ろ!!」
「えっ…」
ケンに言われるがままにはじめはバッターボックスに目を向けた。
「………スミスじゃん」
常翔学園の七番バッターにスミスこと岡田が打席に立っていた。
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