第一話 〈リベンジ〉

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「確か第一グランドだっけ」 「常翔って、前来た時もそうだったけど、グランドがいくつもあるから分かんねー…」 はじめとケンがそんな会話を交わす。 はじめはシニア時代、常翔に見学で行ったことはあったが、さすがは名門高校。 グランドをいくつも持ち、野球するには最高の設備が整っている。 「こりゃ、高校生にはもったいねーな」 五人は途中途中で迷ったが、試合が行われる第一グランドに何とか辿り着いた。 試合は三回の裏、常翔学園の攻撃。 「いまだにスコアレスか」 試合は0対0。 帝陽側のマウンドにはエース・和田の姿があった。 「相川じゃないのか」 はじめが思わずそう漏らした。 「調整試合らしいからな。色んな選手使いたいんだろ」 「………はじめ!!打席を見ろ!!」 「えっ…」 ケンに言われるがままにはじめはバッターボックスに目を向けた。 「………スミスじゃん」 常翔学園の七番バッターにスミスこと岡田が打席に立っていた。
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