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「あいつ、レギュラーになったのか」
「そうとは限らないんじゃないか。常翔も多分色んな選手を使いたいんだろう。
別に勝ち負けにこだわっているわけじゃないみたいだからな」
カキーン!!
その時スミスのバットがボールを芯で捉えた。
結果はセンター前ヒット。
「スミスの奴、やるじゃん。綺麗なセンター返しだな」
ケンはそう言うが、はじめの表情は何かパッとしなかった。
「どうした、はじめ」
慎吾が気になり訪ねた。はじめは何やら納得のいかない表情をしていた。
「最初は見る価値あると思ったけど………。
両チームとも本気出してないし、あくまで調整だかなんだか知んねーけど、こんな試合見るくらいなら練習した方が良かったんじゃねーか」
はじめがつい本音をこぼした。
はたから見れば確かに覇気のない試合展開でどちらとも全力を出していないという状態だった。
「んー…確かに緒方のいう通りかもねー。
まだ本気でやるならまだしも、こんな試合じゃ盗める物もないんじゃないかな」
香里奈も思わず言った。だが田口の表情にはそんな様子はなかった。
「最後まで見れば分かるさ。見て良かったってな」
そして試合は常翔学園が1点リードし、七回まで進んで行った。
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