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「へぇー、こんなトコあったんだ」 「俺のお気に入りの場所なんだ」 東屋に入りながら、彼がニッコリと笑う。 確かに東屋はちょうど日陰になっていて涼しいし、とっても静かな場所だ。 「で、わかんないとこってどこ?数学?」 そう聞きながら、彼と向かい合う位置に私は移動し、かばんを机に置く。 「えぇー?なんで隣に来てくれないのー?」 残念そうに彼が言う。 「ちょっと、一応彼女持ちなんだから。 ミオに言い付けちゃうよ?」 「だってー」 ハルキは、私の友達、ミオの彼氏さん。 いくら友達同士でもそれくらいは気にしないとね。 「俺、アユカの事好きだよ?」 時間が止まった気がした。 彼が身を乗り出して私の手に触れる。 私は動けない。 体が固まっちゃったみたい。 こんな時になんで? 「アユカは俺の事嫌い?」 彼の手が、私の手を包みこむ。 怖くて、逃げようとしたけど、やっぱり力じゃ勝てない。 両腕の間に顔を埋めて、それ以上聞かないようにする。 これ以上何も聞きたくない… 何も見たくないよ…
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