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「もう泣かないで、一緒に笑おう」
雨が、止んだ気がした。
「耕太、やっぱりここに来てたのね」
「学校にも行かないで、何をやっているんだ!」
差し出されたのは、傘だった。
「パパ、ママ……」
「学校から連絡があってね、耕太がまだ学校に来てないって言うから、慌てて捜したんだよ」
「さぁ、学校へ行こう耕太」
そう言い、少年の父は耕太の手を掴んだ。
「やだ! せっかく飛房と逢えたのに……」
耕太は、父の手を振り払い飛房と向き合う。
耕太の父と母は、耕太の言葉に一瞬、顔を見合わせると耕太の言葉を否定する。
「何を言ってるの耕太? 飛房はもういないでしょ」
「飛房はもう、死んでいるんだ。逢えるわけないだろ! 学校へ行こう、耕太」
耕太は父と母の言葉を無視し、飛房に話し出した。
雨が、止んだ気がした。
『ありがとう。僕は、君の家族に育てられて幸せだったよ』
飛房のその声は、雨の音を完全に消し去り、数メートル先まで響いた。
「待って、何処へも行かないでよ……ここに居て!」
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