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沙羅は少し考えている様子を見せた
「それならば構いませんわよ」
沙羅の答えに工藤は微笑む
「さすが沙羅様。去年は沙羅様がお休みになられていたので我々はもう暇を持て余してしまいまして…」
「明日も変わりないと思いますけどね」
「いえいえ、明日は最高の一日になりますよ」
工藤は村田を手で呼んだ
「それでは…」
工藤は一礼をして離れていった
村田もそれを見て同じように一礼をし、後を追う
「あ、そうそう」
工藤は背中を向けたまま、声を出した
「悪い虫が寄り付かないよう我々が御守りいたしますから安心してくださいね」
工藤はそれだけ言ってその場を去っていった
それを確認した慶は沙羅の方へと向き直る
「あれ、誰なんですか?」
沙羅は少し困った顔をしていた
「慶さんはご存知ありませんの?私のファンクラブ」
「もちろん知ってますよ。あの人もそのうちの一人なんですか?」
「えぇ。でも少し特別なんですの。彼はファンクラブの会長なんです」
「へぇ…あの人がですか…」
「一体何を考えているのか……少し不安ですわね」
「大丈夫。必ずうまく行きますから」
慶の表情は自信に満ち溢れていた
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