一通の手紙

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「…暇ですわねぇ」   沙羅は紅茶の入ったカップを片手にポツリと呟いた   「やっぱり文化祭となると会長ってのは忙しいんでしょうね」   その向かいには慶が何をするわけでもなく座っている     政宗と玲は来る文化祭に向けての準備に追われ、情報解析部には顔が出せないでいた     「沙羅さんはどう思います?」   「何がですの?」   「大山さんのゲームです」   沙羅は紅茶を一口飲んだ   「どうせ、あの方の考えることは非常識ですから…参加しても腹が立って終わりですわ」   「ですよねぇ…」   慶は大きな溜め息をつく   「それよりも私は玲ちゃんと文化祭巡りをしたいんですの!」   沙羅は目を輝かせながら言った   「でも、噂じゃ優勝したら賞金一千万円だとか…」   「それよりも私は玲ちゃんが欲しいですわ!」   さすがの慶も呆れて何も言えなかった   今の時間はどの部活動も文化祭の準備に追われているのだが、情報解析部に限っては何もすることがなかった
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