FRIENDS-尋の場合-

10/10
前へ
/28ページ
次へ
  「そもそもあたしにやり返すより、苛めっ子にやり返せよ」 思わず口をついて出た言葉。 普通なら、これで激怒するだろうに、紗耶は、 「やだよ。めんどくさい。それに学力で勝ってるし。ムダな体力使いたくない」 と言ってのけた。 「尋に対してはムダな体力じゃないの?」 という瑞樹の問いに、 「あ、ムダだ。でもムカついたし」 と、答える。 こいつを理解するのは、あたしには無理だろう。   そのまま、苛めに屈することもなく、これ以上友達が増えることもなく、高校の3年間は過ぎていった。   『おまえ卒業出来んの?』   皆に危惧されたことだが、あたしはなんとか無事卒業することが出来た。   これから皆、別々のミチを歩むけど、由利と瑞樹とは、一生の友達でいたいと思った。 この先、苛められることがあっても、由利や瑞樹という友達がいることを支えに頑張ろうと思えた。 あたしにとっては、実のある3年間だったと思う。 貴女たちに出会えて良かった。   ありがとう。。。        
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加