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「まだ…ちゃんとした学生じゃねぇな」
「まだ?
じゃあ、これから入学手続きをしにいくのか?」
「まあ、そんなとこだ」
妖刀使い育成高校。
読んで字のごとく、妖刀使いを育成する特殊な高校だ。
妖刀使いになれるのは、素質を持った人のみ。
素質を持たない人には、妖刀を使うどころか、振ることさえ厳しい。
場合によっては、妖刀が拒絶して、持とうとした人の手を弾いたという例もある。
そんな中から、素質のある者をこの妖刀使い育成高校に通わせることになっている。
中学までは普通の学校に行けるが、高校生になると、ほぼ強制的に行かされる。
「それより…悪いけど、俺眠いから、寝るわ。
着いたら教えてくれ」
「そうか、わかった。
あと二十分位だが、着いたら起こすな」
「ああ…頼む」
それだけ言った少年は、目を閉じ、すっと眠りに落ちた。
────
辺りは、赤々と燃える炎ばかり。
そこに居るのは、黒髪の少年と、その少年を後ろにかばい、刀を構える女性、その目の前には………男が立っていた。
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