一刀・波乱の幕開け

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「ん…」 「お!あんちゃん、やっと起きたか? さっきから何度も起こしたんだぞ」 「あぁ…悪い」 まだ少し頭はぼやけているが、思考を働かせた。 「しっかしあんちゃん、ちょっと寝過ぎだぞ? 起こすのに五分近くかかったんだからな。 よほど良い夢でも見てたんだろうな」 「……良い夢なんか、見たこともねぇよ」 聞き取れないほど小さな声で、少年は呟いた。 「まあ、そうな話は置いといて、ほら、見えるだろ?」 運転手が指差す方向には、かなりボロボロなバス停があった。 おそらく、あれが妖刀使い育成高校に行くためのバス停だ。 「ちょうど、今頃位にバスは来るはずだな。 しばらく待っていればいいさ」 「ああ、わかった。 いろいろと、ありがとな」 「ああ、いいってことよ。んじゃ、またどこかで」 タクシーのドアが閉まり、来た道を戻るように、タクシーは消えて行った。 「さてと…んじゃ、待つとするか」 荷物を担ぎ、バス停に向かって少し歩いたところで、ちょうどいいタイミングで、バスが来た。
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