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「じゃあ、もう寝ないでよ?」
「はい…」
そう注意した先生は教壇に戻っていった。
その後ろでは、数人の生徒が、クスクスと笑っていた。
「はい、それじゃ話を再開します。
さっきも話した通り、妖魔に取りつかれた生物、"妖生体"には、確認されている限りでは四種類の妖生体があります」
黒板に三角の図を書き、それに横線を三本書き、四つのスペースができた。
そしてまず、先生は一番下のスペースから"蟲形"、"獣形"、"人形"、"魔獣人形"の順に書き足した。
「これはその妖生体の種類と危険度、あと数を表した図ね。
一番下の"蟲形"は、一番下級の妖生体で数も多い。
でも今の君たちなら、楽に勝てる。」
「先生、質問」
不和の前にいる生徒が手を上げた。
「はい、どうぞ」
「それって、妖刀に"名"を与えてなくても勝てるんですか?」
「っ…」
先生に注意された不和は、今の生徒の質問を聞いて、一瞬、ビクッと反応した。
「それはちょっと無理かな。
みんなも知っての通り、妖刀は名前を与えて初めて本当の力が発動する。
名無しの妖刀じゃあ、ただの刀とあまり変わらないからね」
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