一刀・波乱の幕開け

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質問の答えを聞いた生徒は、席に座り、少し後ろを振り向き、 「だってさ」 バカにしたように不和に言った。 「それで、話を戻すと、この四種類の中で、一番弱いのが蟲形。 そしてその上の獣形」 説明を再開する先生に、生徒たちも集中する。 「獣形は蟲形と比べると、三倍位強いかな。 蟲形と比べてスピードも攻撃力もあるし、何より獰猛だ。 蟲形の方は、こっちから何かしなきゃ基本は何もしてこない。 だが、獣形は違う」 「どう違うんですか?」 再び生徒から質問。 「獣形は、こっちから何かしなくても襲ってくる。 その上、恐ろしく勘が鋭い。 少し近ずこうとするだけで簡単に見つかってしまうからね」 生徒の質問に的確に答えていく先生に、生徒たちも真剣な表情になる(一部を除いて)。 だが、集中して先生の話を聞くのは、この学校では普通のことだ。 なぜなら、ここで行っている一般的な授業以外で行うのは、実戦を交えての訓練、つまり、妖魔と実際に戦うということだ。 自分の身を守れるように、あるいは、仲間をかばいながらの戦闘など、それらを可能にするには…学ぶことだ。
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