一刀・波乱の幕開け

12/44
前へ
/214ページ
次へ
この学園の先生は皆、一人の例外なく、妖魔と戦ったことのある人が教師をやっている。 戦った人だから教えられる、妖生体の特徴、弱点、そういったものを頼りにこの学園の生徒は戦うのだ。 自分の命を守るために、 他者を守るために、 理由はそれぞれ違うが、妖魔といつか戦う時のために、こういう知識は蓄えておいて損はない。 「二番目に強いとされているのが、妖魔が人間にとりついてうまれる、人形。」 黒板に書いた三角の図の上から二番目のところを手で指し、先生は続けた。 「人形は知能があるという点、身体能力の高さから獣形よりも手強いとされている。 身体能力においては、僕たちよりもはるかに高く、その体は、熟練した妖刀使いでなきゃ、まず斬れない」 「……」 生徒たちの真剣だった顔に確かな不安が見られた。 熟練した妖刀使いでなければ斬れない相手と遭遇してしまったら、っとそういう想像をしているのだろう。 「でも、絶対に斬れないって訳じゃない」 先生の顔は笑顔で満ちているが、生徒は今だに不安な顔をしていた。
/214ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4546人が本棚に入れています
本棚に追加