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「さっきも言った通り、妖刀は名前を与えて初めて力が発動する。
そして、名前を与えられた妖刀には、個別に能力がある。
斬れないなら、妖刀の能力を使って戦えばいいし、無理に斬る必要はないし、逃げたっていいんだから。
ダメージを与えればいいなら、衝撃みたいなものでもいいんだから」
「先生…そういうのは最初に言ってよぉ」
不安そうだった生徒たちの顔には、少しの希望と笑顔があった。
ただ一人を除いては…
「……」
不和だけは、悔しそうに唇を噛み締めていた。
その紅い瞳は、悔しさに揺れていた。
「あと、この魔獣人形は…」
キーン、コーン、カーン、コーン
そこまで説明したところで、学園中に響き渡る鐘の音が鳴った。
「おっと、もう時間か。
それじゃ今日はここまで。今日は午後の授業はないから、寮に戻るも授業の復習をするもご自由に」
言い終えた先生は、教室を出ていった。
「……」
不和は、いち早く席から立ち上がり、教室を出ようとした。
だが、扉のところまできた時、横から手が出て不和の行く手を阻んだ。
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