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「人間風情が!我に勝てると思うな!」
龍は全力の力を溜め、その巨大な口から、破壊することに特化した力の塊を放った。
男は避けようとせず、真っ向からその力に挑んだ。
「力を…貸してくれ!」
自分の手に持つ刀に声を掛け、龍が放った力の塊と、正面からぶつかった。
龍は、自分の勝利を確信していた。あの力に勝てるはずがない。ましてや人間ごときには。
その時、辺り一面を目映い光が包み込んだ。
その光は、男の刀から発生していた。
そして、次の瞬間、龍が放った力の塊は、男の刀に一刀両断され、男は刀を龍の額に深々と刺した。
「貴様の負けだ。…貴様は二度と…目覚めさせん。」
光続ける刀を中心に、龍の額に紋様が描かれ、龍は地上に吸い寄せられるように、地面に伏した。
そして、尻尾の方から龍の体は徐々に消えていった。
「人間ごときに…我はやられぬ!」
最後の力を振り絞り、顔を空に向けて、禍々しい黒い塊を吐き出し、一定の高さにまで上った黒い塊は、拡散して世界中に散らばった。
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