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「いつか…我が放った力を承けたものたちが…我を必ず解放する。…その時を待っていろ、人間ども…名も知らぬ侍よ…」
それだけ言った龍は、体の全てが消え、龍が消えたところには、龍の額に刺したはずの刀が、紋様を描いたまま地面に刺さっていた。
男はその後、地面に刺さっている刀を抜かず、人々にこう言った。
「龍が放った禍々しき力は、いつか、この封印を壊しにくる。故に、これを次代の者に託す。俺の命は、もう長くない」
男は生き残った人々に自分が使っていた刀の精製法が書かれた書物を渡し、その後、誰にも気づかれることなく、どこかへ消えた。
男が消えた後、世界中では、龍が放った禍々しき力を体に宿したものたちが、人々を襲いはじめていた。
人々は男が残した書物通りに刀を作り、そのものたちと戦った。
その戦いは…今も続いている。
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