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龍と侍の戦いから数百年。
時は20××年。
龍が放った禍々しい力、"妖魔"との戦いとは別に、安全な生活を送る人々が住む町には、対妖魔防壁によって守られている。
この防壁は、人に対しては何の影響もないが、妖魔がこの防壁に近付くと、結界のようなものが町全体を覆い、外からの侵入を防ぐ。
その間に、妖魔を倒せる唯一の存在、"妖刀使い"が町の外にいる妖魔を一掃する。
妖刀使いを全て派遣、管理するのが、"町可保安妖刀戒"(チョウカホアンヨウトウカイ)。
町の人たちは"町戒"と呼んでいる。
そしてここは、そんな町戒が守っている町の一つ、博道町。
その中心部にある博道町駅にその少年はいた。
「…やっと着いた」
二時間、電車に揺られてやっと着いた目的地。
少年は、白い長めの髪をなびかせながら、近くに止まっていたタクシーに乗った。
「おや。お客さんかな」
四十代半ばくらいの人の良さそうなおじさんが、乗ってきた少年に話し掛けた。
「それで、どちらまで?」
「妖刀使い育成高校まで」
目的地を言った少年に、運転手のおじさんは申し訳なさそうに言った。
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