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「あ~、悪いがあんちゃん。そこには、普通の車じゃ行けないだ。悪いな」
「じゃあ行き方だけ、教えてくれ」
めんどくさそうに言う少年に、あまり怒ってない様子のおじさんは、
「妖刀高校に行くためのバスがある。
そのバス停までなら、行けるぞ?」
「じゃあそこまで頼む」
持っていた荷物(カバン)を乗せ、タクシーは走り出した。
タクシーが走ってる間、少年は一言も話さず、外の景色を眺めていた。
遠くからでも確認できるほど、巨大な塔のようなものが見える。
それがさっき話しに出ていた、対妖魔防壁だ。
技術者たちが努力の末、作ることができたと言われているが、肝心のその塔の仕組みは、作った技術者たちしかわからないというのだ。
ちゃんとした物なのか不安に思う人は少なくない。
だが、今のところ問題も起きてないし、ちゃんと機能もしている。
それに町の人たちが安心して住むには、もはやこの防壁は必要不可欠な物だ。
証拠に防壁がない町や、町の外にある家や屋敷は、ほぼ妖魔に襲われ、壊滅したというニュースなどが一時放送され、防壁の必要性を訴えかけた人は少なくない。
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