おいでませ、心霊探偵社

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「さて、早速ですが用件を伺いましょう。どうされました?」  灯は挑むような表情を鷹人に向けた。内心「それは客に向ける視線と違うぞ」とツッコミつつも要件を告げることにした。 「実は、俺の住んでるアパートの部屋に幽霊が出るみたいで……」 「幽霊、ですか?」  『幽霊』のワードが出たとたん、灯の目が一段と鋭くなった。 「夜になるとおっさんの声が聞こえて、ここに来ればどうにかしてもらえるんじゃないかと思って……どうかしたんスか?」  気がつくと、灯は右手で眉間を押さえていた。疲れているような、痛みに耐えているような、微妙な表情だ。 「……失礼ですが、ここがそのような依頼を受けるとどこで聞きました?」 「人づてに。なんでもそんなチラシを見たって言ってて……」  鷹人の答えに灯は大きなため息をついた。 「一葉、そのチラシとやらを書いたのはお前か?」 「当然!」  一葉は誇るように自分の胸をそらした。  一方、灯は彼女を睨みながら大きく息を吸った。  そして―――
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