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司『今朝は良くも逃げやがって。……女に金、出して貰う程、貧乏じゃないから』
胸ポケから一万円札を出し、美波の手に握らせた。
美『ホテル『俺、行くわ』
スタスタ歩いていく司を追いかけて、スーツの裾を掴んだ。
美『せめて!半額だ―――』
微かに痛い背中。
掴まれている感覚のある手首。
目の前にある司の目。
唇に押し当てられた感触
司『……コレは俺が【食らった】で合ってるよな?』
美波を壁に押しつけた司の唇が朝の会話を思い出させる。
美『……猥褻罪』
頭がパニックの中、紡がれた一言。
司『色気ねぇ……。もうちっとないの?』
課「宮崎さん。いらしてたんですか?……市原とお知り合いで?」
課長が通りがかり、声を掛けてきた。
司『いえ。目眩がすると言うので心配してただけです。大丈夫ですか?市原サン?』
美(狐め……)
課「老け顔の市原と並ぶと宮崎さんは若く見えますね」
司『え……?』
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