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「司令官、もしこのレーダーがイジメに反応したら警報が鳴りっぱなしですよ。」
弘明が諜報部員と交代して俺の近くに来た。
「まーな....でも思うんだけどさ、イジメって里沙が言うところのほんのちょっとした悪意だろ?それに馴染んじまうとものすごい残酷な事を何も感じずにしでかしちまうんじゃねーかと思うんだよ。」
弘明は俺をまじまじと見た。
「何だよ?」
「司令官が意外な事を言うから驚いたのね?」
純が弘明にコーヒーを持って来た。
弘明は図星をつかれたらしく笑顔が引きつっていた。
「意外とは失礼だな....純!」
俺だって少しは考えるさ。
「自分はイジメとは縁がなかったと思ってましたが、クラスでそういう事があっても....知らないふりをしていたという事だったと今はわかります....そういう奴が何人かいたのは聞いていましたから....結局イジメてた奴らと同じかもしれません。」
弘明があのテロ事件に巻き込まれて死んでしまうまで、どんな風に生きてきたか....
17年の生涯でイジメの経験がなかったのは言い方は悪いが幸せかもな....
そんなつまらん事が人生の何割も占めて死んだら....
辛いよな。
真紀は....
「真紀の様子はどうだ?」
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