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管理事務所は騒然としていた。
大河は天国側の入り口で何人かの若者と話をしていた。
「大河っ。」
俺が声をかけるとあからさまに安心した顔になった。
「司令官....助けてくださいよ....こいつら自分が死んだって事わかってないっすよ....」
若者の1人は明らかにキレていた。
「ざけんなよっ!何で俺が死ななきゃならねーんだよ!?明日ライブがあんだよっ!早く元へ戻せよっ!」
別の若い女の子も勘違いしている。
「夢....だよね?夢の中で夢ってわかる夢久しぶりに見たっ!」
おいおい....
何なんだよこれは?
「なあ兄ちゃん。」
俺はキレている金髪男に話しかけた。
「なんだよ!?」
声が震えていた。
「こうなる前に何があったんだ?」
金髪男は座り込んで頭を抱えた。
「わけわかんねえよ!街歩いてて何か聞こえたなと思ったらいきなり....」
いきなり?
「どうなったんだ?」
男は俺を見上げて呟いた。
「死にたくなってビルの屋上へ行って....後は覚えてねーんだよっ!」
いきなり死にたくなった?
「おまえ....何かでかい悩みとかあったのか?」
金髪は俺を睨んだ。
「知るかよっ!誰だって悩みくれーあんだろがっ!」
何だよ....こいつは自殺なんてしねーだろ....
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