分離

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「裕太っ!」 え? 親父さんっ!? いきなり現れた親父さんが3人が張った結界に力を加えた。 「ここは私が引き受ける....あの子を頼むぞ。」 親父さんが告げると圭は頷いて女の子の魂に近づいていった。 「親父さん、すまねーっ!」 親父さんの結界はハンパなく強力だ。 美和と梓も圭の方へ行った。 3人で包み込むようにすると魂は肉体へ還って行った。 「裕太っ!虫が消える....奴が姿を現すぞっ!」 親父さんの叫びに全員の目が結界の中に釘付けになった。 な.... 何だあれは!? 真紀....なのか? 結界の中に残ったのは人の形をしてはいるが、ちょうど胸の辺りにもう1つ首が ある.... 真紀の頭は天を仰ぐように後ろにのけぞって目は閉じていた。 「真紀....」 それは俺たちを見ると不気味な笑い声を上げた。 「ヒヒヒ....お揃いだねえ....ヒヒヒ....」 その顔は真紀のようにも見えるが明らかに別人格だ。 「おまえは....真紀なのか?」 俺の声にそれは反応した。 「ヒヒヒ....司令官....そうだよヒヒヒ....真紀だよ....」 「真紀!?」 「嘘だろっ!?」 「何なんだよっ!?」 美和たちが俺の後ろから叫んだ。
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