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それは美和たちを見ると明らかに表情が変わった。
「おまえたちは....ググッ....ヒッ!....」
頭が....
さっきよりも胸から出てきている....
「こいつは....」
地獄軍の大将三椚も言葉を無くしていた。
「まさか....」
目の前で真紀の体が大きく揺れていた。
「グギャギャっ!あがあっ!」
何が起きたのか一瞬わからなかった。
「....ヒッ....ヒヒヒヒヒヒ....ヒーーッ!」
笑い声とも悲鳴とも取れる高い音と共にそれは親父さんの結界を飛び出した。
「ばっ....ばかなっ!」
親父さんだけじゃない....
誰もが自分の目を疑った。
神の結界を破った....
しかも1対1でだ....
「信じられねー・・・・」
空中に浮かんだそれはもはや真紀の面影はなかった。
全身がどす黒い小さなかさぶたのようなもので覆われていた。
虫?
皮膚に虫が取り込まれているのか?
驚きを隠せない俺たちにそれは笑いながら話しかけてきた。
「ヒヒヒっ....何を驚いているんだい?ヒヒッ....じゃあこんなのはどうだい?....ヒヒヒ....」
それが右腕を水平に 振ると指先から虫のように小さな何かが飛び出し買い物客の中に吸い込まれて行った....
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