命の重さ 心の重さ

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「頑張れ....」 弘明の口からこぼれ落ちるように出た一言は真紀に届くはずだ.... 生きてた頃もあんまり楽しい事がなくて、テロ事件に巻き込まれて死んじまって....それでも天国で安心して暮らせるはずだったのに.... 何で.... 集中治療室のドアが開いて医者が出てきた。 「先生っ!真紀は?助かるんでしょ!?」 弘明が噛みつきそうな勢いで医者に詰め寄った。 医者はマスクを外し弘明を....俺たちを見渡した。 「危険な状態です....長時間心が仮死状態だった....と言えばわかりますか?弱り切ってます....後は本人次第です....」 医者の許可が下りたので俺たちは中に入った。 何本ものチューブで体と機械が繋がっている状態だ。 マズい事に体が発光を始めている。 「先生....どれくらい....」 医者はこの状態では持って後1日だと告げた。 「そんな....」 弘明が膝を落とした。 「何でこんな事に....」 「真紀ちゃんっ!」 レイが駆け込んできた。 真紀を見るなり両手を重ねて祈り始めたが.... 「ダメ....真紀ちゃんに届かない....」 どういう事だ? 「真紀ちゃんが心を閉ざしているの....自分から消滅を望んでいるのっ!」
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