命の重さ 心の重さ

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「真紀ちゃんの中に生まれた別人格が何らかの力で完全に分離したという見方ですよね?」 そう....イジメられていた真紀が自分を守るために作り出してしまった.... 「以前司令官が話した事ですが....」 里沙は俺の仮説....イジメられた者の心に蓄積した恨みの気持ちが全てその死神もどきに引き寄せられて力を増したんじゃないかと話した。 「それならレーダーに思い切り反応するんじゃねーの?」 里沙は俺の真正面に立っておもむろに紙パック牛乳を飲んだ。 「そこなんですよ!やっとわかりました....虫です。」 虫?....わかんね。 「虫で鎧を作ったんですよ....中と外が真逆のものですから相殺されてしまったんですよ。」 .... 「つまりアレか?あいつがあのままでいる限りレーダーには反応しねーって事か?」 里沙はストローで牛乳を飲みながら頷いた。 「でも虫には反応しますから大体の場所は見当つきますけどね。」 虫在るところに死神在り....ってか? 「でもさっきみたいにすぐに潜られたら話にならねーぞ。」 それに上手く見つけても打つ手がねー・・・・ 「ちょっと考えて来ますっ!」 里沙は空の紙パックを俺に渡し会議室を出て行った。
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