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高家順三が引き起こしたテロ事件では数千人が命を奪われた。
俺たちは....彼らを救う事はできなかった。
「助けてやれなかった....すまん。」
俺の言葉に弘明が慌てて否定した。
「いえっ!司令官は僕たちを地獄から救い出してくださいましたっ....それだけで十分過ぎる程です。」
大河が口を挟んだ。
「あの一番深い所に2人共いたっすよ....もっとも司令官に石をぶつけたかどうかは知らないっすよ。」
大河....その体育会系な口調....似合うな。
「石なんて投げてませんよ....なっ?」
弘明が同意を求めると真紀は黙って頷いた。
え?
「2人は地獄で同じ場所にいたのか?」
弘明が頷いた。
「はい、死んだときに側にいたんで....」
知り合いか?
「おまえら....できてんのか?」
「司令官っ!セクハラですよっ!」
里沙が怒鳴った。
真紀は真っ赤になってうつむいた。
弘明は首を横にぶんぶん振っている....
「ち、違いますっ!真紀は中学の後輩なんですっ!偶然会って....」
偶然会って偶然死んじまったか....
「さ、事務所の中を案内するわ....2人共ついて来てね。」
純の声に頭を下げて2人は会議室を出て行った。
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