始まり

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手拭いで女の子におしめをさせた海児は早乃と共に、囲炉裏(イロリ)の近くに座り込んで赤ん坊が目覚めるまで待つことにした。 「……結局、なんなんだいこの子は」 「む……信じられんかもしれんが、聞いてくれ」 海児が座布団に座り直し、鼻の下の髭をさする。やがて思い出したのか早乃に視線を向け、言葉を選ぶようにゆっくりと話しだした。 「……と言っても、そこまで難しい話じゃあない。俺がいつもの通り竹を切ってると、その中に金色に光る竹があったんだ。 中身が気になってな、刀を入れてみたら光が溢れてきて――――気がついたら、あの赤ん坊が竹の中にいたんだ」
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