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海児の包丁が触れる、その直前。桃の中から溢れてきた光が、彼の腕をそのまませき止めてしまったのだ。
「なっ……!!」
「なんだぃ、この光はっ……!?」
為す術もなく立ち尽くす二人。家が極光に包まれた。
「く……早乃、それに赤ん坊は無事か?」
「あ、あぁ。赤ん坊も大丈夫。桃は…………!?」
早乃はまな板を見やり、驚愕に言葉を失った。
「どうし……」
海児も驚きに目を見開く。
まな板の上で、小さな男の子が産声をあげていたのだ。
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