鬼月村

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「くぅ……なんで僕だけ!! お姉ちゃんが!!」 「あん? お姉ちゃん……」 涙目になっている桃太の抗議で海児がかぐやを見ると、彼女は神々しいまでの笑顔を辺りに振りまきながら静かにたたずんでいた。 「なんでございましょう、お父様。かぐやはこれといった粗相はしておりませんことよ?」 かぐやの声を聞くと、海児は頬を桜色に染め、いかにもデレデレした顔になる。この男、かぐやには滅法弱いのだ。 「ああ、そうだったな。うん。いや、かぐやは本当に賢い子だ」 「恐縮ですわ、お父様」
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