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「ふぅ。次鬼が来たときどうしたらいいのかなぁ……」
自分の部屋に帰った後、桃太は次はどんな風に断ったらいいのかな、と考えを巡らせていた。
「桃太、いるんだろ? 入るよ」
桃太が布団に突っ伏していると、襖(フスマ)を開けて早乃が入ってきた。
「おかあさん……」
桃太が何を考えているか検討がついている早乃は、苦笑いしながら襖を閉めた。
「多目に見てやっとくれ。口では言わないけど、あの子がああ言うのには理由があるんだよ」
「理由?」
早乃は桃太の布団に腰を下ろすと、行灯(アンドン)に火をつけた。
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