鬼月村

15/20
前へ
/972ページ
次へ
「ふぅ。次鬼が来たときどうしたらいいのかなぁ……」 自分の部屋に帰った後、桃太は次はどんな風に断ったらいいのかな、と考えを巡らせていた。 「桃太、いるんだろ? 入るよ」 桃太が布団に突っ伏していると、襖(フスマ)を開けて早乃が入ってきた。 「おかあさん……」 桃太が何を考えているか検討がついている早乃は、苦笑いしながら襖を閉めた。 「多目に見てやっとくれ。口では言わないけど、あの子がああ言うのには理由があるんだよ」 「理由?」 早乃は桃太の布団に腰を下ろすと、行灯(アンドン)に火をつけた。
/972ページ

最初のコメントを投稿しよう!

350人が本棚に入れています
本棚に追加