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「鬼王……丸?」
「かぐやの話では、どうも鬼達の頭らしいね。正気に戻ってからも、あの子は鬼王丸の事を大人に話して回っていた。でも、大人達は誰一人としてかぐやの話を聞かなかったのさ」
「……そりゃあ、そうだよね。鬼には頭のもとに群れて行動する知能なんて……ないんだから」
自分が大人達と同じ考え方ばかりでかぐやを信じてやれないことに憤りを感じながらも、桃太は思ったままの言葉を早乃に告げる。
「ああ。でも、あの子は諦めなかった。体力のないあの子には無駄な訓練をして、その鬼王丸を倒そうとしてるんだよ。織姫を助けるためにね」
「それで……あんなに、お姉ちゃん」
何度も戦いたいと言っていた姉の動機を知り、桃太は少なからずやり切れない後悔に襲われる。
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